海外口座開設:メリット・デメリット
いきなり、マニアックな話だけれども
僕が投資を始めたころは海外口座(海外の銀行・証券口座)というのがちょっと話題になっていて、興味を持って調べていた。何やら香港に行けば作れるらしい?とか。香港は好きで旅行に行ったりもしたけれども別に大富豪でもないので、特に行動には移さなかった。
結局、海外口座開設には何のメリットがあるか? だけれども、
その後、海外転勤になり現地で口座作って、投資をすることになった経験から思うに現在は"ほぼ"ないと思っている。
当初言われていたメリットと実態
# 税金:香港やシンガポールは投資の利益に対して税金かからない?
(事実上)間違い。現地在住の人は税金かからないが、日本在住者は日本に税金払う必要あり。払わないならそれは脱税。ちなみに、今は現地の証券会社にも日本のマイナンバー登録が必須。お互いの国の税務署同士で情報共有しているらしい。知らなかったとしても、また税金無駄遣いに嫌気がさしていても、脱税は日本国民全員からお金を盗んでいるのと同義です。
# 証券口座は海外の沢山の銘柄が買える
これは事実。ただどこまでメリットがあるかは検討が必要。
海外で普通の人が買いたくなる銘柄は、インデックスETFや巨大企業だけれども、大抵はニューヨーク証券取引所、NASDAQ、香港証券取引所で買えて、これらは大抵日本の証券会社でも取り扱っている。
また、サクソバンク証券であればドイツやイギリスの株も買えるので、BMWが好きすぎてBMWに投資したい人でも大丈夫。ボルボが好きな人なら、難しいかもしれない。
僕はシンガポールのSaxoの口座を持っていて、そこであればストックホルムからヨハネスブルクまで色々変えるけれども、使ったのはロンドン証券取引所でヨーロッパ株ETFを買ったくらい。その理由はシンガポールには良い銘柄が無いから。(日本の方が圧倒的に充実)
# 海外送金が便利
普通の人には関係ない。
シティバンクやHSBCなど、グローバルメガバンクみたいなところだと、各国で持っている口座をリンクさせて口座間の送金が簡単にできたりと便利らしい。ただ、残念ながらどちらの銀行も日本からは撤退済みなので日本との送金は不可。
シンガポール-香港などの海外2拠点生活をしているようなイケてる人には便利かもしれない。なお、銀行口座は原則国ごとなので、ある国で口座があっても、同じ銀行の別の国で預けたり下ろしたりは出来ない。あくまでそれぞれの国で口座を開いて、その口座間をリンクさせる形(やったことないから、詳しくないけれども)
※華僑の人たちの考え方は日本人からすると面白く、シンガポール人だけど時々香港でしばらく滞在 みたいな多拠点生活している知人が何人かいる。しかもみんながイケてるビジネスマンとかではなくて、フリーターなんだけど時々香港で親戚の仕事手伝いながら滞在 みたいなことしていたり。場所にとらわれず、親戚ネットワークとビジネスチャンスで生きてくのはまさに生粋のノマドワーカー。
# 日本が潰れても安心
これは、潰れたらどうなるかが分からないので何とも言えないけれども、ウクライナ侵攻に対する経済制裁でロシア人が困っている事を考えると無しではないかもしれない。万が一日本が狂って、どこかの国に侵攻して、全世界から経済制裁を受けて、もう日本脱出しようとなった時には、海外に口座があると安心。かも。
デメリット
# 税金がとてもめんどくさい。
自分で利益計算して、為替レート計算して、確定申告しないといけない。
しかも、税金かからない国だからか、「配当や利益の一覧」なんて出してくれないので頑張って計算する必要あり。
# 現地での源泉徴収
シンガポールとアメリカは租税条約がなく、アメリカの株で配当を得ると30%源泉徴収がある。アメリカで確定申告をすれば戻ってくるらしいが、さすがにそれは面倒・・・アメリカ人の知人によると、「アメリカは、税理士を儲けさせるために確定申告が死ぬほど複雑なんだ。日本は会社でやってくれるから便利だぜ。」との事
尚、香港もアメリカとの租税条約はないらしい。
口座開設の方法
現在は銀行は大抵の国で、現地に住んでいる証明がないと口座が作れないようになっている。マネーロンダリング対策なのだと思われる。
証券口座であれば、パスポートがあれば作れる。ただ、現地に銀行口座(と現金)が無いと入金が海外送金になりコストもかかるので、そこまでして買いたいものがあるかが問題。