株が儲かる理由(2)細かい話

株が儲かる理由の細かい話

 

EPS

企業の決算情報を見ると「一株当たり利益(EPS / earnings per share)」というものがあるが、これは企業の純利益を発行済み株式数で割った値で、1株あたりいくら儲かったかを示すもの。

利益は株主に帰属するので、例えばEPSが100円で、100株持っていたら、株主は1万円儲かった事になる。

 

PER

株価をEPS(一株当たり利益)で割った値が「株価収益率(PER /Price Earnings Retio)

これは、今株を買ったら何年で回収できますよ という数値。

例えばPERが20だったら、20年で元が取れる計算になる。つまり年利5%。

日経平均銘柄全体のPERが、2022年頃はだいたい13前後で推移している。これはつまり、今株買うと年利7%ちょっとは儲かるでしょう という意味。

あくまで過去の利益を元にした計算ではあるけれども、ここ10数年くらい、リーマンショックの時などの一瞬の変動を除けばPERは13-20くらいなので、概ね5%は下らない という考え方かと思っている。

参考)

ヒストリカルデータ - 日経平均プロフィル

 

 

その他

理論上は儲かっている訳だけれども、企業は儲けたお金を全額株主に返す訳ではなく、その多くは設備投資などに振り分けて、一部のみを配当として株主に返す。その割合を配当性向といって、だいたい感触としては20%くらいが平均かなと思う。なので、7%儲けても配当として戻ってくるのは1.5%くらい

ただ、戻ってこなくても、その分は企業価値向上に使われたと考えられる。その分将来の利益につながるはずなので悪い事ではない。この、戻ってこなかった分の利益は、内部留保などと呼んだりする。

時々、「大企業が内部留保を溜め込んでいる」みたいに、いかにも蓄財にふける悪徳商人みたいに言う政治家がいるけれども、それって「大企業が沢山儲けて規模を拡大している」という意味だから、本来はよい事に思える。「利益が増えたのに給料で還元していない」「現預金や自社株買いばかりで設備投資に回していない」といった批判なら納得だけど。